やかんが真っ黒だった。
いいい加減な料理のなれの果て。
火加減というよりはまともに料理をしてこなかった証左だ。
料理の体をなしていなかったことをなしにはできないが、この真っ黒な炭化のリカバーはないのか。
ネットで調べてみた。
ちゃんとある。
重曹でやかんそのものを煮炊きしてみるとキレイに落ちる。
ピカピカになった。
物理や化学を受験や授業で詰め込んでもこういうことはやってみないとわからない。
逆にこういうことを手技として覚えたからといって、物理化学的機序がわかるわけでもない。
長嶋さんは、バットをこう振ってと教え、王さんなら荒川さんと真剣をこう振り続けと教えるだろう。
文武両道などは言うは易く行うは至難。
こういう当たり前のことを知るにも還暦プラスアルファーが必要であった。
生きていればこそ得られた知見。
大事にするにしくはない。