まだ少々残っている雪の塊を路上に投げる。
その下の土がぬるんでいる。
玄関のタイルが幾ばくか剥げ落ちている。
結構厳しい冬だった。
せいぜい二、三十度の幅の中で生きている。
温度だけでなく、ホワイトアウトの中を行進して死ぬかと思ったのもついこの前だ。
季節は巡り、こちらは少々おいて行かれ、ノスタルジーにひたりながら、新しい芽吹きに目をやったりもしている。
玄関、横は少しさっぱりしたが、裏は放置で大丈夫だろうか?
紫陽花の枯れた茎を踏みおろうとするも、反発力に負ける。
あれだけの雪にのしかかられてかくのごとく強くサバイブしている逞しさ。